バグリー [ ヒストリー ]
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バルサにこだわりつづけるバグリー社。

バグリー社最初のバルサルアー、ウォークン・トゥピード。リップレスのスイッシャータイプだ。


現在の007、007Jr.の原型となったウォーキン・スティック。


バングオーシリーズ・ゴーデビル。リップはステンレス。

米国フロリダ州ウインターヘブンという町でルアーメーカー、バグリー社は誕生した。この会社はポークリンドのメーカーとして、ジム・バグリー氏が1950年代なかばに創業したものだ。しかし、豚の革の加工は想像以上に過酷でワーム製造に転向。その後バルサを使ったプラグの製作に事業転換する。

バグリー社の最初のバルサルアーはウォークン・トゥピードというトップウォータープラグだった。1962年に発表された。リップレスでリアにスイッシャーが付いていた。これは後にバングオ-ルアーと呼ばれるようになる。リップ付のバングオーの前身タイプも作られた。またゴーデビルというメタルリップのダイビングミノーもラインナップされた。これらはすべてバングオーシリーズだ。

現在、バグリー社のルアーはほとんどがバルサ製だ。バルサにこだわるにはわけがある。単純に浮力を考えれば発泡スチロールをプラスチックで包んだほうが強いように思ってしまう。しかし、とくに細身のミノーはバルサならではのアクションがある。またクランクベイトはキビキビと潜って、かつリトリーブを止めた瞬間にピタリと止まり、プカーッと浮かんでほしいが、そういうキビキビとしたアクションはやはりバルサに限るんだという。創設者のジム・バグリー以来、社長は代わってもこのこだわりはいまも続いている。

バルサという素材はなかなかやっかいな代物らしい。非常に軽い素材として知られているが、その軽さ、比重にはばらつきがある。ジャングルの日の当たるところで育ったものと、日陰育ちではずいぶん違うらしい。加工しやすくルアーを作りやすい素材に思えるが、マスプロダクトには向かない素材なのだ。

バルサにこだわるバグリー社は、バルサを比重別に3つのグループに分け、それぞれのルアーに適したタイプを充てている。比重を簡単に測れる測定器まで作ったらしい。この素材を35段階にも及ぶ工程を経てルアーを作り出している。ほとんどハンドメイドといっていい作業だ。

60〜70年代のクランクベイト戦争を生き抜いたメーカーは、
 アルファベット・ルアーを持っている。




手間の掛かるバルサにこだわりつづけるバグリー社。ルアー製作行程は実に35段階にもわたるという。

日本のバサーにバグリーといえば、どのルアーがイメージされるのだろう。キラーBシリーズだろうか。バッスィン・シャッドだろうか。DB3という人がいるかもしれない。強いワイドウォブリングアクションで深場を効率よく攻められるクランクベイトとして、とくにビッグバスを惹きつける魅力があるルアーとして知る人ぞ知る名品だ。

バグリーにはBシリーズがある。DB3はダイビング・B3である。キラーB,ダイビングB、ハニーB、バルサBもそうだ。アメリカではアルファベット・ルアーが流行したことがある。ネーミングにアルファベットが採用されているのだ。

このアルファベット・ルアーの最初はクランクベイトの名品として知られたビッグO(オー)だ。この名品にあやかろうとしたのだろうか、その後続々と登場する。レーベルのRシリーズ、ボーマーにはモデルA、ファットA、ロングAとAシリーズがある。1960年代から70年代半ばにかけてこのブームは続く。この時代はアメリカでバスフィッシングが一気に伸びたときで、クランクベイトの性能が競われた、クランクベイト戦争が巻き起こった時期と符号する。逆にいえばアルファベット・ルアーを持っているメーカーは、その時代を生き抜いたことを証しているといえるだろう。
3社が鎬を削り合った、タイガーカラー。

上がヘドン・ザラスプークのGRA、左はボーマーのFT、そして右がバグリー社のH69Tだ。同じように見えるが、各社特徴を出している。
ルアーのカラーについて少し触れてみよう。ここではホットタイガー、ファイヤータイガーと呼ばれるトラ模様だ。このカラーには代表的なものとして3パターンある。

このカラーを最初に考案したのはヘドンだった。GRA(Fluor.Green Crawdad)というカラーで呼ばれている。体側の黒い模様は丸、三角、四角といった形で描かれている。このカラーはよく売れたようで、ボーマーがこれに対抗してブロークンラインの黒い模様を入れたカラーを作り出した。これはFT(Fire Tiger)カラーといわれている。

バグリー社も追いかけた。しかし先行2社の真似はしたくない。そこで考え出されたのがタイガーストライプをあしらったHT(Hot Tiger)だ。カタログにはH69Tとある。流れ紋ともいうべき美しい縞模様が誕生した。一見同じように見えるトラ模様にも、よく見ると各社のアイデアが表現されているのが、アメリカンルアーの魅力のひとつといえるだろう。